システムエンジニアというのは、コンピューターシステムを使って仕事をする全ての業種に必要な存在ですが、特に通信業界にいるシステムエンジニアが目指すべき目標といえるポジションがあります。それは、メーカーではなくキャリアに所属する立場になることです。大企業から中小企業まで数多いメーカーとは違い、通信におけるキャリアは日本全国に数えるほどしか存在しません。
そして数少ないキャリアが巨大な通信業界全体の鍵を握っているからです。日本全国につながる通信の規格を制定し、細かいルールや制約事項やポリシーを策定して、メーカーに向かって「これに違反しないように作りなさい」と言ってくるのは常にキャリアのほうです。メーカーはそれに従い、言われたとおりのルールや決められた枠組みに合わせてシステムを作るしかありません。要するに他人が決めたルールに従って作らされる立場から脱出し、自らがルールを作って相手を従わせる立場のエンジニアになったほうが明らかに勝ち組ということです。
メーカーでの苦しい経験を元にキャリアに入ることができれば、もちろん給与などの待遇も根本的に変わりますし、残業時間にも天と地ほどの差があります。休日出勤して夜遅くまで残業してやっと手に入れた残業代で生活費を補填するメーカー側のエンジニアではなく、毎日定時にあがっても高給を約束されたキャリア側に立つエンジニアを目指すことこそが、通信業界におけるシステムエンジニアの勝ち組にいたるルートなのです。